憲法第9条に関する『よくある代表的な質問』の回答を、まとめてみました!
現在の憲法は戦後GHQ に押しつけられたもので、日本国民が自ら作ったものではない。だから新しい憲法を
作るべきだという意見がありますが。
日本の憲法は、「押しつけである」という人がいます。しかし、それは憲法学の世界ではかなり前に克服された
ことです。
もともと憲法は歴史が証明すように、国家権力を担っている政治家などの権力者の権限や行政行為を制限す
るために国民が権力者に押しつけたもの≠ナした。
国民は、この憲法ができたことによって、封建制や身分制など理不尽な人権侵害から解放されました。押しつ
けと感じるか、解放されたと感じるかは、その人の立場によって違うだけなのです。
そもそも憲法が制定された1946年当時、『押しつけ憲法』という概念はありませんでした。押しつけ憲法という
言葉が初めて出てきたのは、1954年 自由党の憲法調査会のときです。そこで、明治憲法の体制を維持した
かった政治家が感情的に押しつけられたと発言し、それが『押しつけ憲法』という決まり言葉として政治的に利
用されてきただけのことです。
アメリカに押しつけられたというのなら『日米安保条約』や『自衛隊』がそうでしょうが、権力者の立場の方から
は、そのような意見が出たことがありません。
憲法が改正され、「自衛隊を軍隊にする」と、どうなりますか?
実質的には現在の自衛隊と同様に、志願制になるので、特に変わるところはない、と主張する人がいますが、
それは違うのではないか、と思われます。
『軍が公認』されてしまえば、しだいに『軍の論理』が、学校や企業など、社会に全面的に浸透してくることは、
歴史が証明しています。
また、経済的に恵まれない家庭環境にいる学生たちは、卒業後、就職難(経済的な理由)から、衣食住、奨学金
の返済まですべての面倒をみてくれて安定した経営≠フ軍隊を、一番の就職先≠ニすることも予想されます。
軍に入隊することや、軍に短期間であっても体験入隊することが大学などで単位化されたり、企業に採用されるための条件になったりすることも起こるだろうし、そのようなことがいずれ『任意』から、正規入隊や体験入隊したことがない人を『異端者』として排除する方向へと、社会が変わってくることがありうると思います。
軍隊がなくて、北朝鮮が日本を攻撃してくる心配はないのですか?
北朝鮮は大規模な侵攻作戦を行えるだけの『ひと、もの、かね』の裏付けを持っていませんし、通常弾頭の弾道ミサイルだけでは、韓国、米軍、日本を屈服させる力にはなりません。
唯一、核弾頭を搭載したミサイルですと危険なことになりますが、北朝鮮が核ミサイルを使用するということは、
アメリカによる北朝鮮への核攻撃の道をひらく結果につながります。
また、核戦争に突入するにしても、アメリカに比べればはるかに劣る戦力、財力しかもたない北朝鮮にとっては
アメリカの主要地域を攻撃できないのに対して、アメリカはICBM、SLBM、巡航ミサイル、戦略爆撃機などで、北朝鮮全域を攻撃できるので、北朝鮮は国の全滅を覚悟しなければ戦争に踏み切れないし、万一踏み切ったとしても、アメリカに攻撃をできない可能性の方が高くなります。
したがって、北朝鮮がアメリカや日本を攻撃してくることは、現状では考えにくいと思います。
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